2月4、5日に日本補綴歯科学会 関西支部の学会に参加するために兵庫県歯科医師会館に行って参りました。
元町駅からは少し歩きますが、山手の高台にある、とても大きな建物で、さすがという印象を受けました。
今回の学会の生涯学習公開セミナーのテーマは「在宅医療における口腔リハビリテーション」でした!!
開業当初から在宅・訪問歯科診療を続けてきている院長の谷先生の強い要望もあり、今回の学会の最終プログラムではありましたが、疲れと眠気と闘いながら拝聴して参りました。
皆様も、新聞またはテレビ等で既に御存知かと思いますが、日本は世界でも稀にみる猛烈なスピードで社会が超高齢化しています。
ある試算によると、50年後には人口の40%が高齢者になるということです。
そうなると当然、様々な疾患や脳血管障害後の後遺症などを抱えた高齢者の数も相当なものになります。
そのような社会の流れをうけ、被せ物や入れ歯を専門とする補綴学会でも公開セミナーのテーマをとして在宅医療が取り上げられることとなったのでしょう。
在宅医療を実際に行っている医師にアンケートをとったところ、もっとも協力が必要と感じている診療科は、歯科ということでした。
谷先生のお父様は、現在まで在宅医療を長く続けてきておられる谷内科の院長、谷 勲先生です。
そんなお父様の影響もあって、谷先生は開業当初から在宅医療を行ってこられたのだと思います。
患者様の御家族や介護をしている方の、こんな希望を聞くことがあります。
「食べにくそうだから、新しく入れ歯をつくってほしい」、 「食事の量やスピードが落ちているので、入れ歯を新しく作ってほしい」
はたして、これらは新しい入れ歯をつくることで、解決する問題なのでしょうか?
多くの場合、使い慣れた、噛みなれた噛み合わせの入れ歯の方が食べやすいに決まっています。
では、なぜ食べられないのでしょうか?
それは、摂食・えん下障害かもしれません。
摂食・えん下障害は、意識や筋力の低下などが原因で、食べ物がスムーズに口から食道、胃まで流れなくなっている状態です。
そのような方には、いきなり新しい入れ歯をお作りするのではなく、食べるトレーングや食事の工夫を行うことが必要であるということを講演では話しされていました。
今回の学会に参加して、年頭の挨拶で谷先生が、「これからの谷歯科医院は「食べる」ということをテーマに皆で勉強していこう」と、仰られていたことを思い出しました。
食べるということは、楽しみである前に、生きていくために必要不可欠な行動であり、その意味で自分たちの仕事は、ただ単に虫歯や歯周病を治療しているだけではなく、生命と直結した行為を守っていくために必要な仕事のひとつであると感じました。
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