プルちゃん通信
2002/11.12

発行人・谷 佳憲
お口の中から携帯電話?
 ひと昔前になりますか、「アクション界の寅さん」こと007(ダブルオーセブン)のジェームズ・ボンドの活躍に心を奪われた映画ファンは多いと思います。
 そこで今回は、ボンドの国・イギリスから超小型受信機のお話です。
 もともとは、水泳・野球などのスポーツで監督の指示を選手に伝える目的で開発されたものです。スポーツ選手は試合中受信機を携帯することはできないので、この分野では相当以前から研究が進められていたそうです。そして、その超小型受信機を身体の一部に装てんする場所として口の中、その中でも特に「歯」が候補にあがったのです。

 大きさは縦・横・高さともに数ミリメートルというので大臼歯の歯冠部であれば十分収納可能です。ただその場合、天然の健康な歯には応用できないので、当然神経を取った歯の冠せの中に装てんすることになります。あるいは、矯正治療で使うブラケット状の形態で天然歯に接着させるのかも・・・。
 それだけでも、動力源をどうするかとか、装てん後のメインテナンスについてはどうだとか、実用化に向け解決しなければならない問題はたくさんあると思うのですが、なんとこのアイデアに携帯電話の会社が強い関心を寄せているそうです。そう、携帯電話をそのスペースに収納しようと考えているのです。受信機能に送信機能を付け加えれば電話になりますから。
 将来もしこれが実現化すると、独り言をつぶやきながら歩いている人が多くなりそうで、ちょっと気持ち悪いですよね。でも、自動車の運転中なんかは便利だったりして・・・。
 いかにもジェームズ・ボンドの生まれ故郷、イギリスならではのお話ですね。

ここが知りたい??? 〜麻酔のお話〜
 歯医者にかかるとき、耳元で聞こえる歯を削る音もいやなものですが、その前にされる麻酔の注射もかなりいやなものです。治療の際、痛みを感じなくするためとはいえ、できればやめてほしいと思われているのではないでしょうか。
 どんな治療をされているのだろうかと不安にかられているとき、「では麻酔をしますね」と言われたとたん、心臓がドクンドクンとしたという方も一人や二人ではないでしょう。

 デンタルショックといい、緊張感が高まっているときに、注射の痛みなどで脳貧血を起こすことがあります。疲れがたまっているとき、睡眠不足のとき、過激な運動の後なども脳貧血を起こしやすいものです。空腹のときもそうです。自覚することがあれば、他の病気・アレルギーのことと同じように事前に伝えてください。
 ところで麻酔の効き方でよく耳にするお話で「酒をよく飲む人は効きにくい」と

いうものがあります。アルコールは肝臓で分解されます。歯科で一般的に使用しているリドカイン(麻酔薬)は、注射したところから血管に入り、これも肝臓で分解されます。お酒を飲まれる方は肝臓の働きが活発になっていますので、麻酔薬の分解が早まり、麻酔の効果時間が短くなる可能性はあります。でも、麻酔の効き方は人によって差がありますので、よく飲むかどうかだけでは分からないものです。

こどもの歯のコーナー 〜きちんと歯磨きしていても〜
 「うちの子、きちんと歯磨きをしているのにむし歯になってしまうんです」
 「あまり歯磨きをしていないようでも、むし歯が全然ない子もいるのに・・・」
 むし歯予防に歯磨きが大切なことはだれでもご存知のはずですが、ただ歯磨きをすればよいというものでもありません。
 甘いものの取り方、食べた後の処置という日頃の生活習慣の影響を強く受けます。前者としては甘いものは少なめにし、できれ

ば時間や場所を決めて食べるようにし、さらに食べた後はうがいや歯磨きをさせるようにし、食べっぱなしのないようにさせます。
 また、歯の磨き方も問題があります。日々保護者の方が仕上げ磨きを行い、うまく磨けていないところをきれいにしてあげてください。
 冒頭のようにむし歯が少ないのは歯質が生まれつき強いか、唾液の分泌量が多いか、生活面において甘いものの取り方、

その後の処置(歯磨きやうがい)をきちんとしていることが推測されます。
 いずれにしても、磨けているかどうか、いつ磨いているかが最もポイントになるところで、歯磨きが大切なことには変わりありません。

Q&A 〜お答えします 患者さんからの質問〜

口の中が渇いているのは?

Q:口の中が渇いているのですが・・・
A: 最近、お年寄りだけでなく若い人の中に「ドライマウス症候群」という症状の方が多くなっていますが、あまり自分自身気付いていないのが現状です。これは、口の中に唾液が出にくく、常にペットボトルなどで水分を補給していないと言葉がしゃべりにくかったり、口の中に痛みを伴い、食物が飲み込みにくくなるものです。
 唾液は口の中を潤すほか、殺菌作用があり、抗菌物質も入っています。唾液が出にくいと感染症や胃

潰瘍、むし歯、歯周病、口臭、糖尿病なども併発しやすくなります。
 原因は食生活(主に柔らかいものを食べる)、エアコン、口呼吸、ストレス、老化などがあります。治療には保湿ジェルをなめたり、人口唾液スプレーなどを使用することもありますが、硬いものをよく噛んで食べ、舌下腺、顎下腺、耳下腺を刺激すると唾液が出やすくなります。食生活に十分注意して健康で過ごせてこそ楽しい人生。8020めざしてみなさんがんばりましょう。

衛生士だより 〜電動歯ブラシ〜
 患者さんから電動歯ブラシの質問をよく受けます。
 以前は、電動歯ブラシといえば手用歯ブラシで磨くことが困難な、麻痺やリウマチなどがある方に使用を薦めており、一般的ではありませんでした。その後、電動歯ブラシの改良が進み、種類も増え低価格で購入でき、身近なものとなっています。

 電動歯ブラシの利点は清掃時間が短時間(約2分)で済むこと、手を細かく動かす必要がなく毛先が歯面にあたるだけで清掃が可能なことです。
 欠点として、電気製品なので水洗いなど取り扱いの注意が必要です、また、歯ブラシの毛先は摩耗により3カ月ごとに交換が必要なことから、すぐ手に入るものかどうか。交

換するブラシが高価なものもあるので、経済的に負担が大きくなることもあります。
 基本的には、手用、電動歯ブラシとも清掃効果に大差はありません。大切なことは、自分にあった歯ブラシでキチンと清掃ができることです。

ご存じですか 
〜ひと月の負担限度額が変わりました〜
  高齢者もいったん全額支払い
 みなさんが医療機関へかかるごとに支払う窓口負担が、1カ月において一定の額を超えるとき、超えた分を支払わなくてもいいですよ、というのが「高額療養費制度」です。10月からこの制度が改定され、70歳未満は自己負担限度額が引き上げられました。また、これまで70歳以上の高齢者に対しては、医療機関ごとで管理、限度額を超える場合は受診する時点
で支払わなくてよい「月額上限制」でしたが、現役世代と同じ「高額療養費制度」になり、月の限度額も大幅に引き上げられます(下表)。
 この制度の「償還払い」という仕組みは、かかった医療費の1割、2割(一定以上所得者)を受診時にいったん全額支払わなければならず、限度額を超えた分については後で役所へ申請することで払い戻さ

れるものです。この仕組みでは手間がかかり、受診時の負担額も分からない上、差額分が戻ってくるまで数ヶ月かかるなど、手元に蓄えがないと医療機関にかかりにくくなります。病気がちなお年寄りには大変不安な制度ですが、必ず申請して有効利用しましょう。詳しくは各市町村にお問い合わせください。


70歳以上の方の限度額
これまで
  外来 入院
一般 定額1日850円、月3,200円
(大病院5,300円)
37,200円
低所得者
(住民税非課税者など)
24,600円
老齢福祉年金受給者 15,000円

今年10月から
  外来 入院
一定以上所得者(夫婦で年収約630万円以上) 40,200円 72,300円+1%
一般(夫婦で年収約347万円〜630万円) 12,000円 40,200円
低所得者2(夫婦で年収約130万円〜347万円) 8,000円 24,600円
低所得者1(夫婦で年収約130万円以下) 15,000円